高機能インパルスジェネレータの開発

 概要

近年、加速器に代表される素粒子物理学実験装置、核融合プラズマ装置、パルスレーザー装置などが開発され、その規模も次第に大きくなってきている。このような機器においては大きなエネルギーを数nsから数μsという短時間に注入することで極限状態を発生させ、目的を達成するように設計されたものが多い。パルスパワーのレーザー技術への応用に伴い、パルスパワー電源の大容量化とともに高繰り返し技術が必要となっている。

半導体化IG(インパルスジェネレータ)とは、従来のIGに用いられていた放電ギャップスイッチを半導体スイッチング素子に換えたものである。この素子はスイッチング性能の劣化がない、長寿命、高繰り返し動作が可能、装置の小型化が可能といった利点がある。

本研究室では高い信頼性を持ち、長寿命で高繰り返し運転の可能、大容量な半導体化IGの研究、開発を行っている。

 パルスパワー技術とは

 

半導体化IG装置写真

   半導体化IGを用いた水処理への応用

工業廃水、生活排水は塩素、微生物、オゾンなどにより殺菌、分解することによって処理されている。しかしオゾンや微生物では分解できない難分解性有機物などが近年問題となっている。水中でパルス放電を行うと、オゾンよりも酸化力の強い化学的活性種(ラジカル)が生成されることがわかっている。本研究室では半導体化IGを用い、水中でパルス放電を起こすことで水処理を行える装置を製作し、その処理能力の評価を行っていく予定である。