環境適応技術( 絶縁技術 )の開発

概要

    従来、高電圧・電力機器の絶縁に広く使用されてきたSF6ガスが、高い温暖化効果を有する(CO2の約23,800倍)ため、その使用・排出が規制されることになった。SF6ガスに替わる新たな絶縁媒体の開発が急がれているが、現段階においては、それに替わる新たな絶縁ガスは見つかっていない。本研究室では、ガスを使用しない真空絶縁の高電圧・電力機器への実用化を目指して、以下の研究を行っている。

 

真空中ギャップの絶縁破壊に関する研究

    高エネルギー粒子加速器や真空遮断器など、高電界機器では真空中での絶縁破壊現象が問題となっている。これまでの実験から、真空ギャップの絶縁破壊は電極表面状態に支配されることや、繰り返し絶縁破壊により破壊電界は上昇すること(コンディショニング効果)、電極の表面処理はコンディショニング効果に反映されることなどの結果が得られているが、実用的な面からは電圧印加の初期段階から更に高い絶縁破壊電界を得ることが要求されている。そこで、電極の加工法、各種表面処理、、材質、形状などに着目し、真空中ギャップの絶縁耐力向上を目指した研究を行っている。