真空電子デバイス用微小電子源の特性評価

概要   
    真空中の絶縁破壊は、電極間に高電圧が印加され、高電界となった陰極表面からの電界電子放出が一つの原因と考えられる。従って、真空ギャップの絶縁耐力向上を図るには、電界電子放出を抑制することが必要である。しかし、見方を変えれば、この電界電子放出現象は、電子源として利用できる可能性がある。このように、電界電子放出の制御が新たな電子デバイスのキー技術であり、その特性評価を行っている。

光電子・電界電子放出顕微鏡   
    試料(電極または絶縁体)からの光電子放出、電界電子放出による電子放出点分布を拡大して観測することができる装置。この装置の中央付近に試験電極を乗せるステージが取り付けられた軸があり、その横に透明陽極が設置されている。この軸上に電極を配置し、透明陽極と対向させることで真空ギャップを構成する。そして電極と透明陽極間に直流高電圧を印加することで、電解放出電子電流特性の測定や電子放出点の観測を行うことができる。